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「ぎっくり腰にはロキソニン?セレコックス?それともカロナール?」。整形外科で処方される痛み止めにはいくつかありますが、結局どれが一番効くのでしょうか。
実際に薬を比較した研究を調べると、意外にも「この薬が圧倒的に一番」と言えるほど単純ではありません。今回はロキソプロフェン、セレコキシブ、アセトアミノフェンを比較した研究から、その違いを分かりやすく見ていきます。




商品名でいえば、ロキソニン、セレコックス、カロナールです。よく使われる薬ですが、研究を見ると「強そうな薬ほど必ず効く」とは限りません。




日本では、急性腰痛の患者さんを対象に、ロキソプロフェンとアセトアミノフェンを直接比較したランダム化比較試験が行われています。
127人が2つのグループに分けられ、痛みの変化を4週間追跡しました。その結果、アセトアミノフェンの鎮痛効果はロキソプロフェンとおおむね同程度という結果でした。
「ロキソニンのほうが強そうだから、当然よく効く」とはならなかったところが、この研究の興味深いポイントです。
ここで注意したいのは、この研究だけで2つの薬が完全に同じと決まったわけではないことです。研究を最後まで完了したのは70人で、途中で参加しなくなった人が比較的多いという弱点があります。
また、薬の作用も違います。ロキソプロフェンはNSAIDsと呼ばれる消炎鎮痛薬で、アセトアミノフェンはそれとは別のタイプの鎮痛薬です。
効果だけを見て薬を選ぶのではなく、胃腸、腎臓、肝臓など身体の状態も含めて選ぶ必要があります。
つまり、「どちらが強いか」という単純な比較より、その人にどちらを使いやすいかという視点も重要になります。
市販薬を含めて自己判断で薬を重ねるのではなく、現在飲んでいる薬や持病を医師や薬剤師へ伝えてください。


ロキソプロフェン、セレコキシブ、アセトアミノフェンを含む比較研究も日本で行われています。ただし、こちらはぎっくり腰ではなく3か月以上続く慢性腰痛を対象とした研究です。
全国28施設の471人を対象に、3剤とトラマドール・アセトアミノフェン配合薬を6か月追跡したところ、ほとんどの評価項目で4つの薬に明確な違いは認められませんでした。
特に大切なのは、急性腰痛と慢性腰痛の研究を同じものとして扱わないことです。
ぎっくり腰について3剤すべての優劣が決着したわけではありません。現時点では、それぞれの研究から少しずつ情報を集めて判断する必要があります。
慢性腰痛50人を対象に、セレコキシブとアセトアミノフェンを直接比較したランダム化比較試験もあります。
この研究では、腰痛や身体機能など複数の項目でセレコキシブのほうが良好という結果が出ています。
これだけを見ると「セレコックスが一番では?」と思うかもしれません。
しかし対象者は50人と小規模で、しかも急性腰痛ではなく慢性腰痛です。この1研究だけで、ぎっくり腰にはセレコックスが一番と判断することはできません。
研究は「どの薬が絶対に強いか」を決めるランキングではありません。誰を対象に、何週間使い、何を評価したのかによって結果は変わります。
一つの研究だけを見るのではなく、複数の研究を合わせて考えることが大切です。
実際、急性腰痛に使われるさまざまな鎮痛薬をまとめた大規模研究でも、どの薬が最も優れているのかについては不確実性が残っています。
ここまでの研究を見る限り、「ぎっくり腰ならこの薬が絶対に一番」と言える答えはありません。
ロキソプロフェンとアセトアミノフェンを比較した急性腰痛の研究では大きな差がなく、慢性腰痛の比較研究でも3剤の多くの評価項目で大きな差はありませんでした。
一方で、別の小規模研究ではセレコキシブがアセトアミノフェンより良かったという結果もあります。
つまり、「商品名で一番を決める」より、自分の身体に合った薬を選ぶほうが現実的ということです。
例えばNSAIDsは胃腸や腎臓などへの影響を考える必要がありますし、アセトアミノフェンにも肝臓などへの注意があります。
年齢、持病、現在飲んでいる薬などによっても選択は変わります。
「強い薬を選ぶ」より、「自分に使える薬の中から必要なものを選ぶ」と考えるほうがよいでしょう。
ぎっくり腰で痛み止めを使う目的は、単に痛みの数字をゼロにすることだけではありません。
痛みが少し軽くなることで、起き上がる、歩く、着替える、眠るといった日常生活を送りやすくなることも薬を使う意味の一つです。
ですから、「根本治療ではないから痛み止めは意味がない」という考え方も適切ではありません。
一方で、薬を飲めば腰の状態そのものがすべて元通りになるわけでもありません。痛みが軽くなったあと、どのように日常生活へ戻していくかも大切です。
また、処方されている薬を自己判断で減らしたり中止したりする必要はありません。疑問がある場合は処方した医師や薬剤師へ相談してください。
反対に、市販薬を追加したり、家族に処方された薬を飲んだりすることも避けましょう。
薬は「一番強いもの」ではなく、自分の状態に合ったものを適切に使うことが重要です。
ロータス整骨院では、痛み止めを処方されている方に「薬をやめて整体だけにしてください」とお伝えすることはありません。
今まで病院へかかっていたのであれば、まずどのような診断を受け、どの薬を使っているのかを確認します。


そのうえで、腰だけでなく骨盤、股関節、背中、足など身体全体を見ながら、姿勢、筋肉の緊張、身体の使い方など、腰へ負担をかけている部分を確認していきます。
薬で痛みを軽くすることと、身体への負担を見直すことは、どちらか一方を選ばなければならないものではありません。
研究を比べてみると、ロキソニン、セレコックス、カロナールの中からぎっくり腰に絶対一番効く薬を決めることはできません。
むしろ興味深いのは、よく使われている薬同士でも、研究によっては思ったほど大きな差が出ていないことです。
「一番強い薬を選ぶ」より、その人の身体の状態やリスクに合わせて使い分ける。これが現実的な考え方です。
薬を使っても腰痛を繰り返している方は、痛みを抑えることだけでなく、普段どのように腰へ負担をかけているのかにも目を向けてみてください。
ぎっくり腰や繰り返す腰痛では、薬で痛みを管理することと、身体にかかっている負担を見直すことの両方が大切です。腰だけでなく身体全体から確認したい方は、下記の記事も併せてお読みください。



